結論から言うと、老犬に人間用のビオフェルミンを飲ませても大丈夫!容量を守れば、愛犬に飲ませても問題はありません。
「最近、愛犬のウンチがゆるい…」「下痢が続いていて心配…」
特に老犬になると、下痢の頻度が増えたり、長引きやすくなったりすることがあります。
我が家の愛犬も、老犬になるにつれて脂っこいフードで下痢したり、季節の変わり目でお腹を壊したりするようになったんです。
そこで、手持ちのビオフェルミンを飲ませるべきか悩んで、かかりつけの獣医師さんに「人間用のビオフェルミンを飲ませて大丈夫?」と質問してみました。
獣医師の回答は「飲ませても問題はないよ」でした!ドッグトレーナーさんも「問題ないです」とのこと。

太鼓判ね!
この記事を書くために、ネット上の動物病院のサイトや獣医師のコメントを何十サイトも確認しましたが、どのサイトでも「大丈夫」と書かれていましたよ!
この記事では、老犬の下痢の原因から、ビオフェルミンの効果、与え方、さらには人間用と犬用の違いまで、詳しく解説していきます。
愛犬の健康を守るための正しい知識を身につけ、安心してケアできるようになりましょう。

老犬の下痢の主な原因
老犬の下痢は、さまざまな要因によって引き起こされます。
単なる消化不良だけでなく、病気のサインである可能性もあるため、愛犬の様子を注意深く観察することが重要です。
【老犬の下痢の原因として考えられるもの】
- 消化機能の低下:年齢を重ねると消化機能が衰えるのは愛犬も人間も一緒です
- 腸内環境の悪化:老犬になって腸内バランスが悪化します
- ストレス:老犬になると温度の変化について行けなかったり、トリミングなどがストレスになることがあります
- 食事:脂っこい食事で消化不良を起こしやすくなったり、急にフードを変えると下痢をすることがあります
- 病気によるもの:消化器系、腎臓、肝臓などの病気で下痢をすることがあります
- その他の原因:寄生虫やアレルギーによるもの
特に下痢が24時間以上続く場合や、嘔吐、食欲不振、元気がない、発熱などの他の症状を伴う場合は、重篤な病気が隠れている可能性も考えられるため、すぐに動物病院を受診してください。
我が家の愛犬の例ですが、シニアになってからフードを変更したことがあります。
今までのフードより脂質が多いフードだったので、少しずつ今までのフードと入れ替えるようにしていました。
新しいフードが全体の半分を超えたころ下痢をしはじめ、獣医師に相談すると「フードの脂質が多くなって、消化不良を起こしていますよ」との診断。
フードを以前のものにもどしたら、すぐに下痢が治った、ということがありました。

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犬にビオフェルミンを与えると期待できる効果と注意点
ビオフェルミンは、主に乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌を補給することで、腸内環境を整えることを目的とした整腸剤です。
これらの善玉菌が腸内で活動することで、以下のような効果が期待できます。
- 腸内細菌のバランス改善: 悪玉菌の増殖を抑え、善玉菌を増やして腸内フローラを正常な状態に近づけます。
- 消化吸収のサポート: 善玉菌が消化酵素の働きを助け、栄養素の吸収を促進します。
- 免疫力の向上: 腸は体全体の免疫システムの約7割を担っていると言われています。腸内環境が整うことで、免疫力アップにも繋がります。
- 便の状態の改善: 腸内環境が改善されることで、下痢や便秘といった便のトラブルが軽減される可能性があります。
ただし、人間用のビオフェルミンは犬用に作られたものではないため、獣医さんに相談せず安易に与え続けるのは避けましょう。
あくまで補助的な選択肢として考え、根本的な原因の特定と治療は獣医さんに委ねることが重要です。
老犬へのビオフェルミンの与え方・量(体重別目安)
愛犬にビオフェルミンを与える場合、適切な量を見極めることが大切です。
犬に与えるビオフェルミンの明確な基準量はありませんが、一般的には愛犬の体重に応じて以下の目安が推奨されています。
- 超小型犬(〜4kg): 1/8錠〜1/4錠
- 小型犬(4kg〜10kg): 1/4錠〜1/2錠
- 中型犬(10kg〜20kg): 1/2錠〜1錠
- 大型犬(20kg〜): 1錠〜2錠
【与え方のポイント】
- 少量から始める: 最初は上記の目安よりも少なめの量から与え始め、愛犬の様子を見ながら徐々に量を調整してください。
- 水に溶かす/フードに混ぜる: 錠剤をそのまま与えるのが難しい場合は、少量の水で溶かしてシリンジで飲ませたり、普段のフードに混ぜて与えたりする方法もあります。粉末タイプのビオフェルミンを選ぶのも良いでしょう。
- 継続して与える: ビオフェルミンは即効性があるものではありません。効果を実感するには、数日から数週間継続して与えることが推奨されます。
- 毎日決まった時間に: 毎日同じ時間に与えることで、忘れにくく、効果も出やすくなります。
【与える上での注意点】
- 必ず獣医さんに相談する: 自己判断で与える前に、必ずかかりつけの獣医さんに相談し、適切な量や与え方について指導を受けてください。特に持病のある老犬や、他の薬を服用している場合は、獣医さんの指示が不可欠です。
- 症状が続く場合は受診: ビオフェルミンを与えても下痢が改善しない、悪化する、元気がない、嘔吐があるなどの症状が見られる場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。下痢の裏に重篤な病気が隠れている可能性もあります。
- 過剰摂取に注意: 決められた量を守り、過剰に与えないようにしてください。過剰摂取による重篤な副作用の報告は少ないですが、便が緩くなるなどの症状が出ることがあります。
- アレルギー反応: まれにビオフェルミンの成分に対してアレルギー反応を起こす犬もいます。異常が見られた場合はすぐに中止し、獣医さんに相談してください。
人間用と犬用のビオフェルミンの違い
「人間用でも大丈夫なら、わざわざ犬用を買う必要あるの?」と思われるかもしれませんが、人間用と犬用のビオフェルミン(整腸剤)にはいくつかの違いがあります。
下に、人間用と犬用、それぞれのビオフェルミンの価格と成分を表示しますね。
項目 | 人間用ビオフェルミン | 犬用ビオフェルミン |
---|---|---|
パッケージ | 新ビオフェルミンS 48錠 | わんビオフェルミン 25g |
含まれる主な菌の種類 |
ビフィズス菌 フェーカリス菌 アシドフィルス菌(乳酸菌) |
ビフィズス菌 アシドフィルス菌(乳酸菌) |
主な添加物 |
トウモロコシデンプン、デキストリン、乳糖水和物、 沈降炭酸カルシウム、アメ粉、白糖、タルク、 ステアリン酸マグネシウム |
デキストリン、でん粉、還元麦芽糖水飴 |
犬に与える1日の容量(目安) |
体重5~10kg:1/2錠 体重15~25㎏:1錠 |
体重5~10kg:約1g 体重15~25㎏:約2.1g |
1日分のコスト(目安) |
体重5~10kg:約10円 体重15~25㎏:約20円 |
体重5~10kg:約84円 体重15~25㎏:約168円 |
人間用のビオフェルミンに添加物が多いのは、錠剤として固める役割と、錠剤(かたまり)を飲みやすくするためです。
犬用のビオフェルミンは、人間の胃酸よりも強い犬の胃酸環境でも善玉菌が生き残れるように設計されている点も違う点のひとつです。
そのため、愛犬に特化した効果を期待するなら、犬用を選ぶのがおすすめです。
人間と犬の腸内環境の違い
人間と犬の腸内環境は、同じ哺乳類でもいくつかの点で違いがあります。これは、彼らの食性や進化の過程が異なるためです。
- 主要な善玉菌の種類:
- 人間: 腸内における主要な善玉菌は、主にビフィズス菌です。
- 犬: 犬の腸内における主要な善玉菌は、乳酸菌が中心です。ビフィズス菌も存在しますが、人間ほど多くはありません。
- 消化管の長さと構造:
- 人間: 雑食性であり、消化管は体長の約7倍程度と、比較的長めです。
- 犬: 肉食に近い雑食性(半肉食性)であり、消化管は人間より短めです。肉食動物は植物の消化に時間がかからないため、腸内に多くの微生物を留める必要がないと考えられています。
- 唾液中の酵素:
- 人間: 唾液中にデンプンを分解するアミラーゼが含まれています。
- 犬: 唾液にはアミラーゼがほとんど含まれていません。デンプンの消化は膵臓のアミラーゼに頼っています。
これらの違いがあるため、人間にとって最適な整腸剤が、犬にとって100%最適とは限りません。
犬の腸内環境の特性を理解した上で、適切なケアをしてあげることが重要です。
市販の犬用ビオフェルミン:わんビオフェルミン
2024年に大正製薬から、犬の腸内環境に特化して開発されたの犬用整腸剤が販売されています。
市販の犬用整腸剤は、動物医療で処方される『医薬品』とは異なり、あくまで『サプリメント』の扱いです。
薬としての整腸剤は、獣医師に処方してもらうものであり、市販されているものはありません。
【特長】
- 1917年(大正6年)に誕生したビオフェルミンから、ペット用サプリとして「わんビオフェルミン」が2024年12月に発売
- ビフィズス菌F1000と乳酸菌(アシドフィルス菌)が生きたまま腸に届く
- ペットフードの安全基準をクリアした安心・安全品質
- プレーンな癖のない味、余計な添加物不使用。
- 粉末タイプなので、付属のスプーンでフードに混ぜたり、振りかけるだけで使える手軽さ
25g入りと40g入りがありますし、定期購入ができる通販サイトもあります。
継続して老犬の健康維持のために飲ませる時は定期購入にすると、毎回注文しなくても家まで届けてくれますから便利ですね。

まとめ:老犬の下痢は早期の獣医相談と適切なケアで乗り切ろう
人間用のビオフェルミンは、一般的に犬に与えても大丈夫とされています。腸内環境を整える効果が期待できます。
しかし、あくまで補助的な役割と捉え、愛犬の体重に応じた適切な量を与え、様子をよく観察することが重要です。
もし下痢が続く場合や、他の症状を伴う場合は、自己判断せずにすぐに動物病院を受診してください。
獣医さんの正確な診断と指示のもと、人間用や市販の犬用整腸剤を上手に活用し、愛犬が快適なシニアライフを送れるようにサポートしてあげましょう。
愛犬の健康を守るためには、飼い主さんの早期発見と適切な対応が何よりも大切です。
「おかしいな?」と思ったら、すぐに獣医師に相談するようにしましょう!
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